観劇 劇団四季ミュージカル「リトル・マーメイド」

  名古屋四季劇場のこけらおとし公演であるリトルマーメイドを観てきた。

 まず海の中を浮遊しているかの様に、ずっと体をゆらめかせているキャストの体力に感心する。悪い魔女のアースラのタコ足の動きがリアルっぽく、また迫力のある歌声はお腹に響いてきて、おどろおどろしさが伝わってくる。リアルな動きとしては、エイの動きが水族館で見るそれに本当にそっくりで再現度の高さに驚いた。

 有名曲アンダー・ザ・シーのカラフルで楽しげな海の様子も良かったが、一番気に入ったのは、アリエルの姉達が恋についてあれこれ語るシーン。カラフルで、とっても楽しい気分にさせてくれる。もともと大好きな曲であるキス・ザ・ガールも、とても可愛らしいシーンとなっていて嬉しかった。

 残念に感じたのはリプライズ。以前観にいったことのある四季のミュージカルは、印象に残る曲をうまくリプライズして感情を表現していたと思うが、今回は曲があまり印象に残らなかったので、リプライズだったということに後からプログラムを見て気づく形になってしまった。

 ディズニー映画版のストーリーががあまり記憶にないのだが、一幕の話の進行が非常にゆっくり感じ、逆に二幕は進行が早く感じた。もう少し王子とアリエルが惹かれあうところ、葛藤するところをじっくり見たかった。

 笑ってしまうようなシーンはいくつかあったが、おそらく狙ったのではないシーンで笑ってしまった。アリエルが母を殺したアースラに向かって「人殺し!」と叫ぶシーンと、アリエル父が王子に向かって「海の王、トリトンだ。」と自己紹介するシーンである。アリエルの母親は『人』なの?そして、威厳と風格を保ちながら自ら名乗るロイヤルファミリートリトン王の姿はなんだかシュールである。

 全体的にカラフルな色調と、リアルに表現された海中のゆらめき、魚たちの動きがとても良かった。ストーリーの盛り上がりがもっとハッキリしていたら、より楽しめたかなと思う。