ひっとかくれ

気まぐれに壁打ち

舞台版未履修の私が映画少年たちを見に行った

衝撃だった。

これまで映画館であんなにも笑いを堪えたことはない。泣くような話ではないだろうと思って手元にハンカチを用意していなかったのだが、笑いによる涙と咽る声を抑えるために、ポップコーンの塩まみれの手でカバン内のハンカチを手探りで掴み取る破目になった。これからご覧になるジャニオタ方には、手元にハンカチを用意しておくことをオススメする。
そして、必ず語りたくなるので、ジャニオタと見に行った方が良い。鑑賞後、語り合うことで気持ちの発散ができて助かった。

公開初日から5日経ったので、ネタバレ感想載せます。ただ、個人的にはネタバレを見たとしても楽しめる映画だと思う。

 

 

少年たちは長く続いている舞台だそうだが、一度も見たことがなかった。ワイドショーなどで宣伝されている程度の浅い前知識と、「今日公開初日だって、映画館会員日で安いから観に行ってみようよ。」という軽い気持ちで友人を誘い映画館に向かった。本当にこの浅慮な行動は正解。とても楽しい時間を過ごせた。じゃにーずってすごい。

まず初めにワイドショーでも取り上げられていた長回しのシーン『Fire Storm』。一人ひとりジュニアが登場する度、名前がわかるように表示されて有難い。また、狭い廊下を目一杯使ったシーンは迫力がある。

さて、曲が終わっていよいよストーリーに入るだろうと思った矢先に始まる『JAPONICA STYLE』。え、何で?が脳内を埋め尽くす。何の説明もなく急にSixTONESの楽曲披露である。さらに、「桜」「夢」「恋」等の文字が表示されて*1実に不思議な時間が始まる。全国公開の映画でも、ジャニーズ節が冴え渡る~!と面白くなってしまい、いきなり笑いがこみ上げてきてしまった。

その後もSnowManの曲へと続き、あれ?まさかずっとこんな調子で楽曲ばかりが続くのか?と心配になったところで、刑務所へジュン(大我)がやってくるシーンへ。ようやくのストーリー開始である。

赤房と青房の対立、黒房が煽って傍観。看守による制圧。少しストーリーが進むかなと思ったところで、またしても楽曲。しかもストーリーから続く形で曲に入るのではなく、心象風景として突然曲が始まる。『俺たちは上等』マネキンの看守をおちょくって、俺たちにルールなんて関係ないぜ!俺たちこそルールだぜ!みたいな曲である。いや、ここ刑務所なんだよね?*2しかも何も説明されていなかったが、黄房と緑房もあるようだということが分かる。ミュージカルのように歌詞が台詞になっていてストーリーが進むということはなく、曲は曲として楽しむという形である。つまりミュージカルと思って見てはいけない、これは音楽劇だ。

ここまでで既に結構面白いが、何故刑務所に来ることになったんだ?と問われたジュンが、

何故ここに来たのか、この僕に聞くのかい?あの空が青いから

とか歌いだし、めちゃくちゃ真面目なシーンだと思うのだが、またしても笑えてしまった。そりゃジュンに聞いているし、ものすごいはぐらかし方だし、それをまぁその内に分るだろうなどと物分りの良い赤房の連中に笑えるのだ。*3

 

どちらかというとこの映画はSixTONESが中心となっている。赤房にいる人たちのバックグラウンドが少しずつ回想・説明されるのだが、ダイケン(北斗)の過去が重くてめちゃくちゃ同情する。弟と認知症の祖母の面倒をみながら受験もあって精神的に追い詰められての犯罪。家庭環境とか心神耗弱とか鑑みてもうちょっと何とかならなかったの…?

エガオ(高地)は虐められておりキレて復讐犯罪するのだが、バイクに虐めっ子繋いで引きずり回すという結構えげつない内容。ものすごい笑顔でバイク運転している姿はサイコパスみが溢れ出ていて怖いし、そんなやつの刑務所内でのあだ名がエガオなのも色々考えさせられて怖い。

犯罪内容は不明だが生い立ちが切ないジョー(ジェシー)とヒロト(森本)。ジョーみたいな生い立ち故グレてしまう子はたくさんいるだろうなと思うし、ヒロトのような無戸籍の子もそれなりの数存在するんだろうと思う。ヒロトが「学校にも行けないし、病院にも行けない。」と言うのだが、戸籍がなくても学校には行けると思うし、病院にも行けると思います。*4ヒロトがそうできなかったのは、無戸籍だからではなくて、無戸籍となってしまった根本の家庭状況による所が大きいと思うので、重いし切ない。でも何の犯罪したの・・・?

唯一、赤房では情報や(樹)だけ背景がなにも語られないので非常にミステリアスである。

そんな赤房に新たに入ったジュンが赤房の皆と仲良くなっていくその構われ方は、男子校の姫状態である。ジョーやダイケンとは恋が始まるのかとさえ思ったし、ジュンが犯罪を犯すきっかけとなってしまった川島(宮近)はもはやジュンの元彼かとすら思えてしまった。*5

お気に入りのシーンは、絵を描くジュンに対してダイケンが俺のことも描いてよというシーン。「実はもう描いてあるんだ。絵を描くためにその人のこと見てるといつもと違ってこんな顔もするんだって。」「へぇ・・・俺こんな顔してるんだ。」台詞は曖昧だけれど、ピュア可愛くてダイケン恋に落ちてない?大丈夫?ジュンのヒロインムーヴが過ぎると思ってときめいた。

私は元々北斗と森本のことが好きなので、ダイケンがヒロトに勉強教えているシーンも可愛いくて好きだ。しかし、小学校に行ってなくて計算ドリルレベルから始めているヒロトに対して、xを使って求めれば良いとか言ってるダイケンは、頭も面倒見も良いのに教え方下手な人の典型例で面白かった。

青房のコウタ(岩本)がジョーにやたらと突っかかってくる理由は、コウタのツレのクロ(嶺亜)が死んだのは、ちゃんと面倒みてやらなかったジョーのせいだという逆恨みからだった。回想シーンでヨーヨーしながらカメラ目線でキメ顔してくるクロに、嶺亜~~!と沸くも、奴はすぐ死ぬ。おいしい役もらったね嶺亜…と謎の上から目線をかましているとまたしても曲が始まる。クロを髣髴とさせるヨーヨーが効果的に使われているMVだったよ。*6

黒房のケンタ(室)が体調不良で病院へ入院することになるのだが、ベッド上で「皆と外で遊びたかった・・・」みたいなことを呟いた後に、唐突に始まる『Happy』。海辺で軽快にダンスする関西Jr.たち、そしてカーキ色の服で目立つ室くんの脇。*7咽たし笑いが止まらなくなった。

Happyにな~りそ~うだ!

と曲が終わり、またスパッと急にシーンが切り替わる。こっちは情緒がおかしくなりそうだ。*8

青房のタスク(深澤)は子どもが生まれそうなので奥さんに顔見せて安心させたいこと、ジョーはお母さんがガンで死にそうだから最後の時間を一緒に過ごしたいこと、新に赴任してきた看守の中林(横山)の厳しさに不満が溜まっていることから少年たち皆で脱走を計画する。という流れではあるが、中林って意地悪だけど言うほど厳しく無くない?もっと厳しいみたいな演出があった方が展開的に良かったのになと思った。

そして、最初は無謀な計画に乗れるかよって断るダイケンが、色々考えてブレーンとして協力してくれることになるのは、少年漫画のよう。それぞれの特技を活かしながらの脱走シーンも少年漫画チックで熱い。

 

せっかくタスクとジョーを優先して逃がそうという話をしていたのに、あっさり中林に捕まってしまうジョーと、あっさりジョーを置いて走っていく皆の姿がちょっと変。そしてタスクだけでも逃がそうと、囮となったジュンが高所から転落してしまう。
ジュン!今このとき少年たちと私の気持ちは一つになった。しっかりしろジュン!!ヒロインかのように抱き起こされるも、微笑んだまま力を失うジュン。ジューーン!!!

あいつが死んだ朝 夜明けはいつものようにやってくる

突然歌を披露すな!情緒!!ジュンが転落してすぐのときはあんなに一つになっていた少年たちと私の気持ちが、『あいつのぶんも生きる』で離れ離れになった。すごくシリアスな曲のはずなのに、唐突すぎてまたしても笑いが止まらなくなり、私の笑いによる涙とジョーの悲しみの涙がシンクロして流れるという奇跡が起きた。

 

そして数年後、少年刑務所は閉鎖、改装されてホテルとなっていた。そこで行われるショーを見に集まるかつて少年刑務所で過ごした面々。そして元看守の中林の姿。このショーのシーンにてやっとHiHiJets、 少年の登場である。リーフレットに堂々と載っているからもっと出番あるのかと思っていたのに、まさかのここだけだった。やたらカメラ目線をキメてくる猪狩が気になって仕方がなかった。若手Jr.がキラキラなショーをやっているのをサポートしたり応援したりするSixTONESSnowManみたいな見方しちゃうと色々としんどくない?

ジュンの持っていた絵などが描かれたノートを渡されて読んでいた中林が、読み終わったと同時に力尽きる。えっ!?冒頭に病気だって示唆はあったけど、急すぎない?ノートは呪いのアイテムかよ・・・。

そしてエンディングへ。ジュンのこと、少年時代のことを想いながら歌う。そこにしれっと登場するケンタ。お前は生きとったんかーい!!とそのことが気になって楽曲に集中できなかった。

 

スタッフロール。冒頭の長回しシーンのパロディをやってくれたり、グループごとにダンスを披露してくれてとても可愛いかった。そして、あの言葉で締めくくられる。

子供は大人になれるけど
大人は子供に帰れない
だからこの想いを 時間を止めて
     ―Johnny Kitagawa

 偉人の名言か!

 

突っ込みどころはままあった。もっと看守の藤野(伊武さん)が絡んでくるのかと思ったのに、ジョーに大福くれただけで終わったこと。リョウ(渡辺)の弟レイ(斗亜くん)の初々しい棒読みっぷり、ジョーのお母さん(森口さん)がどうなったのか分からないことなど。あと、BGMで『絆』が使われてしまうと一気に「ごくせん」を思い出して集中が欠けてしまった。 

全体を通して、舞台をなるべくそのまま映画にしようと試みたのがよく分かった。舞台だったらすんなりと曲に入っていけると思うが、映像ではストーリーと曲の間にはっきりと境目ができており、演出もMVのような作りだったので、曲が浮いているように感じて面白いのだと思う。ストーリーだけを追ってみると、現代の若年層の問題を織り込みつつ、屈折・対立からの和解・協力そして未来へといった流れで意外と分かりやすい。

 

私はジャニアイを見たことがありジャニーズ舞台に慣れているので物凄く楽しかったが、一般の方々はこれを見たらどう思うのだろう。私もジャニーズの舞台に慣れていない頃にこの映画を見ていたらどのように感じただろう。

しかし、ジャニーズを知ることはできるけど ジャニーズを知らなかった頃には帰れない。

ジャニオタじゃない方々の映画レビューを是非とも読みたい。そして、そのレビューを見た後に、もう一度この映画少年たちを見たいと思う。きっとより楽しむことができそうだから。

*1:フォントがダサい

*2:確かに曲中でお掃除はしていた。

*3:ピュアな少年か!少年刑務所だったわ。

*4:詳しくは知らないし、もちろん無戸籍が様々な場面で物凄く大変であることは理解します。ヒロトは世間知らずな設定なのでこういう台詞もアリなのかな。

*5:大変に偏った見方で申し訳ない。

*6:棒読み

*7:影かな?と思ったけど、たぶん脇汗。

*8:もう既におかしくなっている!