ひっとかくれ

ただのブログ

映画『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』 感想

テレビアニメを見てギャン泣きしていた身なので、映画も泣くだろうなと予想してました。案の定泣きました。マスクあってよかった、鼻水垂れました。

最初のうちはテンポがゆっくりしていたので、若干退屈に感じた部分もありましたが、ユリスに会ったあたりから引き込まれていきました。
また次にリュカに手紙を書こう、自分がいなくなるその日に手紙を渡してと指切りしたヴァイオレットが側に来られなくても、「愛してる」をくれた人に会えて良かったねと言えるユリスの優しい心が分かるから、たとえ意地悪されるときがあっても、ユリスの弟はあれだけユリスを慕っていたんだろうな。
今ここで手紙を書くドールは何の力にもなれないと実感し、電話で直接伝えさせるという方法をとったアイリスは聡明でかっこよかった。電話が発展すればドールはいずれ無くなる職業だというアイリスの見込みは正しかったけれど、それでも時代を経てアンの孫がヴァイオレットの書いた手紙を見て、手紙でなら伝えられる思いがあるって気づくという構成は素敵だなと思いました。

狙っているギャグ要素も面白かったんですが、私としてはディートフリートの不器用なところが面白かったです。この人、このコミュ力でもって、どうやって海軍大佐までなれたの?笑
テレビアニメでは悪役チックに描かれていましたが、映画では少し柔らかくなっていたので、いい歳した大人が考え方や生き方を変えようとするときに生まれる葛藤やもどかしさに苛まれている最中だと思うと、非常に面倒くさくて可愛らしく思えます。

そういう面倒くさいところが似てるよね、ギルベルトとディートフリートは。ギルベルトが家庭環境や戦争のせいで自分の思う正しい生き方ができなかった、ヴァイオレットに普通の女の子の生活をさせてあげられなかったからって、何もかも放り出して一人で思い悩んで、ヴァイオレットには会わないぞって自らを罰するような生活しているの、くっそ面倒くさい男だったんだなコイツ~~!!って思ってしまった。テレビアニメでもヴァイオレットを戦争にかりだしてしまっていることへの罪悪感がみえて、それは正しく優しい人であるからだとそう思っていたけど……なんかちょっと私が思い描いていた人と違った。笑

ヴァイオレットが支えてくれるたくさんの人、ドールという職業・手紙を通して思いを感じて、「愛してる」を伝えられたこと、形容できないくらい良かったと思う。きっと視聴者はホッジンズと同じような気持ちになっている。
ギルベルトに関わる話のときだけ、ヴァイオレットの声色が変わるのが、とても愛らしい。

ただ、ヴァイオレットがギルベルトあての手紙を子どもに託して以降の展開というか演出がちょっと大仰だなと感じました。くらえ!!感動の演出~これでもか~~!!みたいな。そもそも何であの子どもは手紙を手渡ししなかったの?

ヴァイオレットとギルベルトが出会えたのは、人々の「愛してる」が繋がって生まれた奇跡だなって思います。
その美しい物語を完成させてくれたこと、ありがとう。

 

来場特典は、『ヴァイオレットエヴァーガーデン if』でした。なんやこれ、公式が最大手やん……。
実は原作読んだことがなくて、特典読んだらとても読みやすい文章だったので、次は原作でヴァイオレットに会いたいと思います。