ひっとかくれ

ただのブログ

映画『マイ・ブロークン・マリコ』

久しぶりに映画見てきました。原作は読まずに行きましたが、モノローグが多くて漫画的だなと思ったので、すごく原作漫画に忠実に作ったのかなって思いました。

スマホ使ってるけど、全体に流れる雰囲気が昭和~平成初期っぽいというか、90年代っぽく感じました。なんでだろ?シイノの職場の雰囲気がそう思わせるのかな?
あとは曲の影響?正直、ED曲は私のイメージと違いました。この曲がシイノっぽいってのは分かるけど、もうちょい静かな余韻くれやって思ってしまった。

永野芽郁ちゃんが、あんな風な演技できると思ってなくて驚きました。朝ドラのイメージとは違った。マリコみたいな人は現実でもいそうだけど、シイノみたいな人はなかなかいないだろうなって思うので、余計に演技難しそうかなと思って。

若い時のシイノかっこいい。シイノの家庭は親が離婚したとしか提示されていないのですが、中学生のころから屋上でタバコ吸うやつがまともな家庭環境なわけないし、まともな家庭環境にいる子だったらマリコと惹かれあってないよなと思う。
親切にしてくれたマキオに対してこのご恩は一生忘れませんとか言っておきながら、すぐ忘れて借りた5000円も返さないだろうなって思わせるシイノは、やっぱ壊れちゃってるマリコの親友なだけあるなと思いました。

正直なところ前半の遺骨を強奪してベランダから飛び降りるところがクライマックスみたいに劇的で、その後は後日談みたい。自分にとっての大事な人がひとり死んだところで世の中は何も変わらないまま進んでるっていう、現実ってそんなもんだよねって感じで。

マリコと重ね合わせて女子高生を助けるシーンで、ちょっと涙ぐみながらも、いやここでこうなるの都合よすぎでは?と、話を進めるための装置的な感覚を覚えてしまいました。いや、泣きはしたんだけど。

個人的に一番好きなシーンは、遺骨持って泣きながら旅先決めるシーン。回想前のどこ行きゃいいの……?から回想終わってハッとして地名呟くところの永野芽郁ちゃんの声とか表情が刺さった。私はここで一番泣いてた気がする。

万人にオススメできる映画ではないけれど、私はよかったと思える映画でした。