1回だけですが、観に行けて良かった!!もっと見たいって思いました。なぜ私はもっと申し込みしておかなかったの…?いや、いつも自名義1本で頑張ってる人間なので、複数公演当選する可能性があったのかどうか知らんけど。
本当に映像化して欲しい。ほんまにお願いします、この通りです。色んな人に見て欲しい舞台です。
ちょっと偏見なんですが、この事務所がやる舞台って、わりとファンタジーで正直なところ、ちょっとお話が分かりにくいこと多いじゃないですか?でも今回のMASSARAは現代のお話ですごくスッキリしてて、とても観やすかったんですよね。内部舞台がこんな分かりやすいことがあっていいのか?って思っちゃった。笑
7MEN侍が主演ってことで、その他ジュニアたちはほとんど台詞がありません。ジュニア目当てで観に来た人たちがこの舞台に対してどんな感想を持ってくれたのか気になります。
まっさらを何もないと捉えるのか、余白があると捉えるのか。自分は何者でもないととるのか、これから何者にでもなれるととるのか。
高校卒業して少し疎遠になってしまった友人たちと再会し、学生時代の写真を見ながら思い出を振りかえることで、悩みを抱きながらも自分の色を探して明日へ進んでいく若者たちを描いた舞台。
たぶん観客の年代や生活状況やその時の心の健康度によって受け止め方とか感想とか変わる気がする。
ゆうぴ退所発表日よりも前に見に行きましたが、あまりにもラストが爽やかながら切なくて、卒業式のイメージを感じてしまい、誰かいなくなってしまうんか……?って思ってしまいました。いや、でもこの舞台が届けたいのはもっと前向きなメッセージのはずなんだよ!
オープニングの明るい新曲『re:start』がめちゃくちゃ良い!!
1度聞いただけでもなんとなく覚えられるキャッチーで爽やかで、でもなんかどこか切なくて、大好きな曲になりました!
明るい曲でここから始まるんだなってワクワクしたところで、『MASSARA』という語りのようなラップのような現代芸術系のモダンな舞台にあるような音楽。すごく新鮮だし、おしゃれ。ジュニアたちと息の合ったダンスがとてもカッコよかったです。たぶん普段やらないようなダンスですごく頑張ったと思う。
この舞台で伝えたいテーマはすべて『re:start』と『MASSARA』、この2曲に詰まっている。
「顔を上げれば僕たちは何度でもやり直せる」、「誰も見たことのない明日が僕らを待っている」、「まだ夢の途中きっとここじゃ終われない」、「物語はいつもまっさらから始まる」、「生まれ変わりまだ進んでいこう あの時のあの瞬間の僕ら誇れるようになっていよう」といった歌詞がまさに。
おばあちゃんに貰ったモノクロカメラで写真を撮るのが好き。この写真を見ている間は皆と同じものが見えていると思える。僕には色がないから――と不穏なケイの独白からストーリーへ。カメラのレンズのようなセットから飛び降りるケイ。この独白やその後の病室でのやりとりからして、色盲・色覚異常な設定なのかな。最後まで明言はされないけれど。写真を撮ろうとして階段から落ちて骨折したんだと本人は言うが、本当のところは違うのかもということが、冒頭のシーンやケイの雰囲気で感じ取れる。
入院することになったケイの元にお見舞いに駆けつける友人たち。
タカ(大光)のアドリブとそれに余すところなくつっこむケイがとても面白くて可愛かったです。タカがベッドに潜り込んで暑いって言いながら寝て、睡眠時無呼吸症候群をかますアドリブでした。俺より入院した方がいいんじゃない?ってケイ。
そんな中で続々と友人たちが集まるのですが、病室に集った段階でそれぞれのキャラクターが垣間見えるようになってて世界観に入って行きやすい。あと、お見舞いの梨は本当に食べてるんだね。
そして昔の写真を見ながら各人物がメインになるような思い出話を振りかえっていく。回想に入る前の、他の人物は静止して、メイン人物にピンスポ当たって一人語り始まる演出好き。
野球でスカウトされてたが家の事情で進学せずに工事現場で働くダン(琳寧)の様子をみんなで見に行ったときのこと。セットを使って縦横無尽に移動するダンの力強さすごい。歌いながらみんなで作業するって表現がとてもミュージカルっぽくて素敵だった。不勉強で原曲『ナントカナルサ』を知らなかったのですが、すごく明るく楽しい時間でした。仕事ちょっと手伝って皆疲れてぐったりしてるとき、タカがハルキ(嶺亜)の膝に頭乗せて休んでた姿がめちゃ可愛かったです。あとリョウタロウ(こんぴー)に体力仕事似合わなすぎ。笑
進学しなかったことについて割り切ってるようで割り切れてないような複雑な心持ちで。それでも何とかなるって体を動かして振り切ってるって感じ。当時はケセラセラ=何とかなるの言葉をお守りのようにしてたのに、病室で再会したときはその言葉の意味忘れちゃってて寂しい。
思い出を振りかえった後には、病室の白い花がオレンジ色の花に変わっていました。この後もちょっとずつ思い出振りかえると、病室にあるその思い出にちなんだ物が色づいてたっぽい。
ハルキは普通に卒業して普通に就職するなんて人生は嫌と言いながらも、そうなってしまった自分への葛藤を歌う。ハルキにはもっとめちゃくちゃやっててほしいタカ。なんかこの部分は実際の7MEN侍の気持ちともリンクする感じがしました。
ハルキがメインになる部分はここになるのですが、彼は実のところ具体的な夢は描かれないので、意外とどういう人物なのか掴みにくい。でも、自分が何者なのか何になりたいのか本人もよく分かってないからなのかも。
タカの甘酸っぱい思い出。カフェ店員さんに一目ぼれしたけど、その女性はリョウタロウに告白。映画の主役のように『WITHE LOVE』を歌う姿が素敵すぎた。大光はこういう感じがほんとうに似合うし好きだよね。途中で女性姿の影と踊るって部分あるけど、あれジュニアだったのかな?だとしたらすごく綺麗なシルエットだった。
曲後、息整えるためにうろうろ歩いてたところハルキに時間稼ぎするなってつっこまれ、ちょっと滑り台やらせてってセットを昇っては、余計疲れないか?とつっこまれる等、ちょっとしたお遊びの時間がほっこりする。
ここでのタカの純粋で陽気な感じとか、ハルキの意地悪ながらも優しい眼差しとか、ダンとカズト(本高)のそれぞれ方向性の異なる慰めの感じとか、彼らの友人関係が見えて面白い。そんな中で、溶け込むようにしてそこにいるケイの陰キャな感じがすごく刺さる。写真撮る側ばかりで、自分は写真に写る側に入っていかない感じが。
失恋したタカを慰めての『愛なんだ』も良かった。総じてタカの思い出は楽しい。
でも、タカも失恋した思い出だけ描かれてて、一体どんな夢を持っていた人なのかとかは良く分からないんだよな。そういう部分がハルキと幼馴染で似てる部分あるのかな。自分はできないからこそ、はちゃめちゃして欲しいってハルキに託してたのに、ハルキが丸く凡庸に収まってサラリーマンやってるのが嫌なのかな。
リョウタロウの思い出。学祭でバンドやろうって話。この時には、ケイもみんなで一緒にバンドやりたいって口に出してて、その前の思い出話の時より心開いている感じがして可愛い。
バンドシーンではみんな楽器初心者な演技するんだけど、滲み出る上手さがありました。
カズトのエリート故の悩み、デリカシーない刺々しいことを友人にぶつけてしまう。心の葛藤を歌い上げる『雨傘』の演出が素敵でした。ともすれば映像でも出来そうなところを、あえて実際の小道具でアナログにやってるのがオシャレで良かった。
インテリでプライド高い故に心に渦巻く激情があっても表になかなか出せないけど、友人の前だとそれが出ちゃうのかなって。
「何でもないことないくせに、何でもないって言うなよ」っていうタカのセリフにグッとくる。その後言い争いになっても謝りに行けて、それを受け入れられる関係めちゃいいよな。私にはできなかった青春です。
ケイは本当に階段から転んだだけなのか?って疑問を持つカズト。ケイの色覚異常のこともカズトだけは知っていそうな雰囲気だったよな。私としては単なる事故とは思えないけど、自殺まではいかないかな。でも、どんな解釈でも面白い。
なんとなく自分には何もないから自分のことは大切にしなくてもいいかな、危ない場面があっても自分はどうなってもいいかなって考えている部分があっって、カメラだけは大事だから傷つかないようにしておいたかなとか。これは考えすぎかなと思うけど、わざと跳び下りて、怪我すればみんなに連絡するきっかけが生まれるし、会えるかもと考えたとか。
最後に振りかえる思い出は、6人の出会い。柄の悪いクラスメイトに絡まれるケイをみんなが助けるっていう漫画のような出会い。
柄の悪いジュニアがなんかウケる。特に阿達くん似合わないね。笑
喧嘩の後のダンの筋肉ギャグが軽く滑り、ハルキがもうちょっとケイが笑ってるとこみたいな、もう一発いけるか?って振って再びギャグやるんだけど、より滑ってしまっていた。けどもうここはそのまま進めてて、その後の肩組んで写真撮るシーンでハルキに大丈夫か?心に傷を負ったなって言われているの可哀想すぎて面白かったです。
思い出話してたらなんか一人になりなくなくなったなって、みんなで病室を抜け出す。『RUN』の歌詞が染みる。
ケイが「分からないままの僕らそれでも何かを信じた」のところで「信じた」を歌わずに、その瞬間に飛んでるので、最初の飛び落ちたシーンとリンクするのかなって思います。信じられるものが何もないっていう悩みの中にいたみたいな。
病室を抜け出して公園で6人、まっさらだからこれから何色にでもなれる明日があるっていう希望を含んだ話をするんだけど、「明日か、怖いな」って台詞を言うケイは、まだ心から前向きになれたようには思えないんだよな。
最後には真っ白な雪の降る中で、セルフタイマーを使って、やっとケイを含めた6人全員で写真を撮る。雪の夜景のなか、客席側を背にして写真を撮るので、6人が一体どんな表情をして写真に写っているのかは、観ているこちら次第なのが粋だ。どんな顔してたのか想像できる余地があるのが、物語の幅を広げててすごく良い。
セルフタイマーあるじゃんってここで初めて気づいたような台詞になってて、こんなに長いことカメラ使ってるのに?っていう気持ち。でも皆のこと写真に撮る側ではたから眺めてるだけじゃなくて、みんなの中に混じっていけるようになったことが、ほんの些細ながらも大事な一歩なのかなって。
みんなに彩ってもらうだけだったって思ってるかもだけど、みんなにとってはちゃんとケイも友人で。ケイは自分が何もない、何の色もないと思ってるかもだけど、他人から見たらそんなことないはずなんだよね。自分ではわからないだけで。あと、白色も立派な彩りなんだよね。
ただ、病院の見舞いのシーンで梨食べてたのに、公園で雪降ってきたから、季節的に変じゃん?もしかしてこれ現実じゃないのか?全部夢だったりするのか?実は入院してるケイが見てるあの世とこの世の狭間の出来事なのか?とか考えてしまう。
だとしたら、まっさらから始めてみようって言われても明日を怖がっているケイは目覚められるかな。皆と一緒の写真に写るっていうラストだったから、皆と会おうっていう目覚めるだけの少しの勇気は持てたかなとも思うが。
自分たちの真っ白な衣装や真っ白な舞台のセットに、つぎつぎにインクで色を塗りながらre:startを歌うエンディング。
ダンが顔にも腕にも顔にもインクべったり付けて笑顔で歌い踊る姿が青春って感じで美しかった。お互いに顔見合わせて笑いあって色を足していく姿を見てたら尊すぎて涙込み上げてきました。
悩みが一気に解決するような魔法はどこにもないけれど、それでも明日へ向かっていくしかないんだよね。どうしても辛い時には、大切な思い出を心の頼りにして少しずつでも進んでいく勇気をもらう。
ケイが物語を動かすきっかけの人物ですが、タカやダンが明るく繋いで、リョウタロウやカズトの個性がアクセントになって、最終的にはハルキが物語全体をぐっと支えている感じが、7MEN侍の姿と重なる気がするなって思いました。
7MEN侍たちと同じ年代かもしくは下の年代の人は、本当にまっさらでこれから何者にでもなれるっていう勇気を持てると思う。私のように年代が上の人にとっては、ちょっと切なさの方が強いかもなって思いました。
希望を持てるような明るくて爽やかな舞台ではあるんですけど、戻れない過去の輝かしい青春と、変わっていかなくてはいけない自分。理想と妥協との狭間で、逃げの選択をして努力せず怠惰に過ごしている身には、そのまっすぐなメッセージ性が刺さってきて辛い。re:startには何度でもやり直せるって歌詞があるけど、現状のまま変革しない毎日を選択してしまう自分がいるんだわ。しんどい。私の理想や価値観の問題で勝手にしんどくなってるだけで、別に妥協が悪いこととは舞台内では全く言ってない。むしろダンやタカはそうやって折り合いつけて生きていく側の人。
7MEN侍のファン通称「痺愛」はネット民ひいてはインターネット老人会の方が多い故か、ものすごくいろんな考察があって見ていて楽しいです。たまにめっちゃ飛躍したぶっとんでること言ってる人も見受けられますが、それもまた一興。「色んな」風にとらえられるの、楽しいですよね。
でも、そんなにこねくり回さず、真っすぐに、ありのままを受け取っておくのが相応しいのかなとも思いました。
これまでに見た内部舞台の中で、一番好きな舞台になりました!
ツアーと並行しての舞台はとっても大変だったと思うけれど、誰も欠けず、夏を駆け抜けてくれてありがとう。
ジュニアがどうなっていくのか分からなくて不安だけど、この素敵な舞台MASSARAに出会えたことで、今夏の7MEN侍との思い出を、この先もずっと鮮やかに思い出せる気がします。そしてそれは、きっと明日への力になる。ありがとう。
かなりの乱文になってしまいました。
ここまで読んでくださった方がいましたら、ありがとうございました。
なんか後日思い出したことがあったら加筆します。