ひっとかくれ

ただのブログ

舞台『フォーティンブラス』

面白かった!!久しぶりに観劇に行きましたが、大満足です。こんな面白い戯曲あるならもっと早く教えといてよ有識者たち。
演劇業界の悪しき慣習というか昨今取り上げられがちな問題みたいなのも描かれていたので、これを実際の俳優さんが演じるんだっていう驚きもありました。

あらすじだけ読んだときは難解なんか?って思ってたんですけど、全然そんなことなくて、コミカルなシーン満載で、でも根底には真剣なテーマがずっと潜んでるって感じでした。脇役の人生ってなんなのかって。

今回も大光を目当てに行きました。冒頭に客席通路を歩いて観客と会話するところがあるのですが、近くで立ち止まってくれたので、お顔をしっかりと拝見できました。ありがとう。
うろ覚えですが終盤でのハムレット役に対して放つ、あんたみたいなクズでも誰かの目標になってるんだよ!っていう台詞が心にきました。

この舞台の主役はフォーティンブラス役の大光ですが、劇中劇の主役はハムレット役の荒井さんで、その劇中劇の主役なんだぞっていう説得力のある力強い演技が素敵でした。
木崎ゆりあちゃんも可愛かったな。掛け合いが可愛くて面白かった。
劇中劇のカーテンコールをもじったカーテンコールがあって、その演出がすごく好き。

また見たいって思える舞台でした。
大光が素敵な舞台に関わってくれたこと嬉しく思います。

 

舞台とは関係ないですが、佐々木大光が所属する7MEN侍がCMしているインドネシア発のお菓子TRICKS食べました。3種類味がありますが、個人的にはオリジナルが好きです。でもどの味もおいしい!キムチ味はちゃんと辛いので、チーズやマヨネーズと一緒に食べるとより良いです。7MEN侍が美味しいお菓子のCMに抜擢されて嬉しいです。

 

Act ONE 観てきました 追記あり

明けましておめでとうございます。私の 2024年最初の現場は帝国劇場のAct ONEでした。この新春公演で今のジュニアたち、今後のジュニアたちのことが分かるかなと思って行ってきました。

昨年がどうだったかも知らないのですが、13月探しに行ったり、戦争などの悲しい歴史について触れるようなものではなくなったんですね。
今回はざっくりな流れだと、各グループが自分たちが1番だって主張しててバチバチの対立。パフォーマンスで1番はどのグループか証明しようってところから、各グループ持ち時間20分のパフォーマンス。それぞれの現状の不満や不安を吐露しつつ、無所の子たちの歌の力によって、エンタメってそんな争うようなことばかりじゃなくて見てる人を笑顔にすることが大切なんだって改めて感じて纏まる。みたいな感じでした。

開演ブザーとかはなく、ぬるっと小さいフレッシュジュニアたちが登場して始まるスタイルでした。
私が7MEN侍のことを好きなのでそう思うだけとは思いますが、登場時の黒と金色の衣装の7MEN侍が1番かっこよかったよ~~!!
何度も各グループにアレンジされながら歌われる、新曲と思われるテーマ曲は、これまでの帝劇公演の流れを汲んでいる曲調で良かったです。
それぞれの代表オリジナル曲のリミックスアレンジがカッコよかったですね!
各グループごとの合間をチビっ子たちと林くんと手島くんが繋いでくれるのですが、クスっと笑えていい緩和剤になってたと思います。結構知らない子たちがたくさんいて、自分の息子でもおかしくない年齢の子たち……チケ代が巡り巡って彼らの手元に入るなら実質子育てじゃんとかいう気持ちの悪いこと考えてました。基本的にチビっ子たち臆さずこなすよなぁと思いますが、一人だけ全く1回も笑顔を見せない子がいて逆に気になりました。他の子たちも可愛かったので、名前覚えたいなってジュニアのサイトで写真見たけど、どれがどの子か分からない。動いてる姿とアー写を一致させられない。私が年老いたからかな……。

HiHiJets
今公演でのコンセプトは「自由・フリーダム」とのこと。
車に乗って登場するし、ローラースケートしながら太鼓たたくし、銀テープは飛ぶし、フライングはあるし、派手でした。
フリーダムコーナーとして小さい子たちの特技披露と作間くんの発作タイムのような部分がありましたが、一体帝劇で何を見せられているんだ?って気持ちでした。チビっ子たちにも見せ場を作ってあげようって気持ちは分かるのですが、なんかもうちょっとやりようあったやろ。笑
今日もゆうぴの台詞は聞き取れませんでした。いや、他メンがとても滑舌いいから、ゆうぴの聞き取りにくさが目立っちゃうんだよね……。猪狩がローラースケートで動きながらフライング中の2人の足押して回してあげてるところが何でか分からんけど好きポイントでした。
自分たちの持ち時間の中で、起と結を作っていた感じで観やすかったなと思いました。

7MEN侍
コンセプトは「男らしさ・ワイルド」とのこと。
推しグループなので、褒めることしかできない。黒い衣装だけど、輝いて見える。衣装マジでよい。後から嶺亜デザインと知り、天才……?(大げさ)と思ってしまった。楽曲も仕草もワイルドさが全開で、むちゃくちゃカッコよかったです!(中指立てるのは許されるんですね?笑)しいて言うなら、ワイルドすぎて帝劇っぽくないという点とちょっと楽器音がでかい点がネックだったかも。舞台なので、声出しがないのが惜しいくらいで、これは次に単独公演があったらめちゃくちゃ盛り上がるだろうなと思いました。みんなクラップはしてやってくれ。涙
使用しているセットがドリボの時によく見たやつかな?って思ったので、さすがドリボによく出演してるだけあるって思いました。
カッコいい新曲があったのがすごく嬉しかったです。全員のダンスがキマってた!!それから途中にある弾き語りの部分で、ワイルドなだけじゃない部分も見えて良かったです。少ししかない演技部分見てても、全員が舞台主演経験有りなだけあって、台詞が聞き取りやすいし、立ち振る舞いが上手いなと思いました。もう間違いなく贔屓目です。
バンドもダンスも演技も出来るし、これからもやってやる!っていう気持ちを感じました。バンドのときの矢花の激しさ、ほんとおもろい。弾き語りの時などピックを咥える姿も好き。あと大光がふいにスティックまわす姿好き。全員で踊ってる時もですが、本当に大光がダンス上手くて自然と目がいく。こんぴの腰ふりの激しさちょっと笑ってしまった。
持ち時間をフルに使って自分たちの在り方をみせてくれたなと思います。7MEN侍の部分見れただけでも、かなり満足でした。

美 少年
コンセプトは「美・ビューティフル」とのこと。
ステンドグラスのシルエット姿の彼らから始まって、最後に鐘が鳴ると魔法が解けたようにまたステンドグラスに戻っていくっていう、お伽噺のような流れが良かったですね!キラキラした姿がとてもアイドルらしくて、本人たちはもっと違うこともやりたそうだけど、正直このキラキラ感は続けて行ってほしいなぁと思います。途中で和風のアレンジ部分もあって、この和アレンジがこれまでのイズム継承してる感あって好きでした。なので吉吉バンバンかスーパーボーイ(だっけ?)みたいな和トンチキも見たかったな〜。

少年忍者
コンセプトは「情熱・パッション」とのこと。
以前に少年忍者見たときには大人数っていうことを活かしきれず、ごちゃごちゃしてて何を一番に見せたいか分からないって思ったんですが、今回はそれが大幅に改善されていて見やすかったです。新曲のパフォーマンスの、大人数でのカウントズレのダンスとか好物なので見入っちゃいました。アクロバティックな動きが多いので、怪我しないかなってことだけが心配です。って言ってる間に休演者けっこう出てるね……。がんばれ。

闇を突き抜けて
バチバチの対立からの闇を突き抜けては、それはもう「少年たち」なんよ。途中で現状のグループの不満や不安などの思いを叫ぶシーンあるけど、なんか生々しくてキツいなってなっちゃいました。美少年の不満だけちょっと意味わかんなかったな?
とりあえず黒シャツ姿はほんとうに良い。回転する台に乗って歌う部分、ジュニアの回転寿司みたいになっているのちょっと面白かった。アクスタで再現できそう。

NOT ENOUGH
途中に!余計な!コーナーを!挟むな!!普通に!!見せろ!!!
コーナーで何を披露するかが日替わりっぽいのですが、ちょっと虚無だったわ。なんかリピーター向けみたいな感じはあんまり好きじゃないので。他の日にも入った方の感想見ると、たぶんこの日のコーナーはちょっとイマイチの日だった?っぽいですね。嶺亜が描き出した絵、正直最初💩かと思ったよね?緑の💩……?辰年だから龍か……?いや、蛇か。茶色の……今度こそ💩……?カタツムリか。からの~蝶!が気になって織山のダンス全然見てなかったわ。矢花がドラム叩いてるとこ見れたのだけは良かったです。楽器演奏する矢花は全員に刺さるやろ。

全体新曲
キラキラな白衣装で全員で踊ると、やっぱ帝劇だなって感じしますね。結局自分が7MEN侍、特に結構良い位置にいた嶺亜と大光ばかり見ていることに気づく。わりと座席が前の方だったので、表情までよく見えて、みんないい顔してました。

各グループごとのオムニバス形式なので、自分の推しが出ないと暇でつまらないという意見もみかけたんですが、私は自分の推しグループ以外を見るのも新鮮で楽しめました。それよりも全体全員での演技部分や日替わりコーナーがイマイチだと感じたので、そっちを何とかした方が公演全体としての質を担保できるんじゃないかなと思いました。それぞれの各グループの持ち味を魅せるということには成功しているけど、ジュニア全体としてのまとまりという部分では若干弱いかなって印象です。グループ固定されてもう長いからそうなるんだろうね。

終わって、次の予定もあるのでさっさと帰ろうと思ったら、公開記者会見始まってビックリしました。次の予定があってわりと早めに帰ろうと思っていたのですが、席から出るに出れなくなってしまい、貴重な機会に立ち会えてラッキーだけど時間……ってハラハラしてしまった。笑
いつもまとめてくれるゆうぴ、分かりやすく愉快に話してくれた猪狩、滑りを臆さず頑張ってくれる大光と作間、優等生なしっかりコメント川崎くん、本当にありがとう。特に猪狩、お前にはいつも感謝してるので、幸せになって欲しい。なんか一部の少年忍者担に叩かれててかわいそう……ちょっと過敏だと思うよ……。
年男4人のショットが見れたの嬉しかったね!次の日の記者会見の記事見たらハイハイも大光も写真のカット多くて愛されてんなぁ~って思いました。笑

いろんな感想があると思います。貶しているわけではなく率直に言って、ちょっとチケット代のかかる学習発表会だなって感じました。私は充分に楽しめました。
千秋楽まで頑張ってほしいです。

 

追記

そういえば、これ書こうと思って忘れてた。ジュニアの顔と名前が一致させられないって書きましたが、今人気と噂の「あだちいの」の阿達くんだけはすぐわかりました。island TVのサムネで見たことあるかも程度の知識しかないにも関わらず、舞台で一目見た瞬間、この人が絶対阿達くん!!って確信しました。そして後で確認したらやはりそれは正しかった。何がとは説明できないんだけど、めっちゃ「アダチ」顔でした。笑

 

短文感想 『Shakespeare's R&J』~シェイクスピアのロミオとジュリエット~

唐突に思い立って『Shakespeare's R&J』~シェイクスピアロミオとジュリエット~の千秋楽見てきました。近くでやっててチケットがまだ残ってたし、価格も安かったので。そんな広い会場でもないのに直前までチケット残ってたのちょっと悲しくなっちゃった。東京からの日帰りも容易なのに……。

全寮制男子校で暮らす4人の学生が、夜中に抜け出してロミオとジュリエットのリーディングを始め、夢中になり役に入りこみすぎて物語と現実の境が曖昧になっていく……という大まかな前提を知らないと、とっつきにくいだろうなと思いました。
見てるこっちも、今これは学生よりの気持ちなのか、それともロミジュリの世界に入りまくってる時なのかが曖昧な感じの部分も多くて。あえてそれを狙ってるんだったらいいんですけど、たまにハッと学生に戻りましたってハッキリ分かる演出の部分もあったので……。あえてそうしてるのか、演技や演出の不足で曖昧になってるのか?何だかよく分かんないなって思ってしまいました。あと、宗教系に馴染みなさすぎて、貧相な私の脳みそではイメージ沸かんのよな。

ロミオとジュリエットのさわりはもちろん知ってるんだけど、そういえばちゃんと触れたことなかったなって、舞台見てから思いました。事前に読んでから行けば、もっと楽しめたかなとちょっと惜しいことをしてしまった。シェイクスピアが根底にある舞台は、楽しめるかどうかが受取り手の教養レベルに左右されるんだろうな。私はそういう教養を必要とする物語がちょっと苦手。集中力使って、見てて疲れた。笑

少年忍者の青木くんの声色の使い分けがけっこう好きでした。なんか今まで青木くんのことはジェネリック岩橋だと思ってたんですが(失礼)、演技してる表情と声を聞いてたらむしろ神宮寺に似ているなと思って、一人じぐいわだな等と全くもってどうでもいいことを感じていました。
あとは木戸大聖くんの演技が好みでした。

4人だけの舞台で、小道具ほぼないのに何役もこなさないといけないし、台詞量も多いし、大変だったろうによくこなしたなって思いました。
個人的に木戸くんの今後のより一層の活躍を楽しみにしています。

 

ミュージカル 『GYPSY』

地方公演があるということで、行きやすいじゃん!と思い、内容をよく知らないまま、佐々木大光を見たいが為にチケットとりました。前から3列目ありがとうございました。客層が幅広かったというか舞台にしては若めの男性客が多いのが新鮮でした。おそらく生田絵梨花ちゃん効果と思いますが、すごいわ。

観劇前に公式サイトであらすじを見て、これ好きじゃない系のストーリーかも?って心配してた。親が子を芸能界に売り込む系の話って、暗かったり辛い気持ちになったりするんじゃないかと思って。でも思っていた感じとは全く違ってた。もちろん辛いシーンがないわけじゃないけど引きずらないし、くすっと笑えるシーンもあるし、明るくてパワフルなお話でした。元になった方の本を読んでみたいなって気持ちになった。

子役の子たちが可愛かった。子役から成長して行くときの場面転換演出が面白かったです。でも照明で目がチカチカして、ちょっと嫌だった。

登場人物の誰の事も理解できないし、共感できないんだけど、応援はしたくなるという不思議な感覚。
特に大竹しのぶさん演じるローズなんて全く共感できないんだけど、最後の一人芝居のシーンには圧倒されて、涙出てきた。これまで舐めてたわ大竹しのぶという存在を……。

生田絵梨花ちゃんがセクシーな役をやるイメージなかったからビックリしました。歌の上手さにも驚く。このところビートDEトーヒばっかり見てたから余計に。
あどけない蛹から妖艶な蝶になっていく様子が本当に素敵で、普通にドキドキしたわ。

お目当ての大光ですが、ソロシーンがあることに感動。ダンスの上手さに感動。歌も良かったです。夢を語る青年のワクワクした姿、爽やかで鮮やかで。こんなん親戚のおばさん気分で見ていた私は、もうはなまるおばけと化しました。花丸あげちゃう。
大光の今後の活躍にも期待しています。
お隣のお席の方が大光のオタクかつリピーターだったようで、彼女の向く方向によって、どこから大光が出てくるのか、暗転中の舞台転換のときに出てくるのかどうか、が良く分かりました。ありがとうございました。

普段の私は、カテコでスタオベとかだるいなって思うタイプなんですが、これは素直に立ち上がって拍手したいと思える舞台でした。

 

舞台 遙なる時空の中で3 Ultimate

先月、遙かなる時空の中で3Ultimateを観てきました!
遙か3の舞台は初演を観劇して以来のこと。初演見たときに書いた感想見返してて、強制バッドエンドシーンに涙したことと、舞台セットの音と携帯鳴らしたやつに内心クソ切れ散らかしたこと思い出した。
今回は本当に平和に見れて良かったです。

 

nanahas.hatenablog.jp

 

ちょっと2.5次元系が久しぶりで客層にビビってたのと、座席が前の方すぎてドキドキしながら席につきました。
もう待ってる間に流れてくるBGMが懐かしすぎて心に響く……。
ほんとに座席近くて、息遣いと表情がよく分かりました。花道で真横に来た時、めっちゃ汗凝視するやばい奴と化してた。

初演のとき冗長だなとか分かりにくいなとか思ってた部分が改善されてて、すっきりまとまってました!
初演と違って最後には十六夜記につながる景時の不穏なシーンが増えてたのも良かったです。
途中の九郎と望美の花断ち練習シーンが可愛くてきゅんとした。
もうちょっと全体的に将臣くんに大人な余裕を見せてほしかったという気持ちがあったかな。
ひとつ気になったことが。現代に戻っちゃうかものシーンで映し出された現代のビル群にコクーンビルっぽいビル描かれてて、いや望美は現代の鎌倉から来たじゃん?現代の象徴ではあるけど、東京っぽいシーン出されてもなんか違うくない?みたいな気持ちになってました。

全く異なるストーリーの再縁と十六夜記を交互に上演するってめちゃくちゃ大変だったろうなって思う。約4時間(?)で1つの舞台と思ってやってますってキャストの方がおっしゃってて、歌舞伎……??ってなってた。いや、本当にすごいことをやってると思う。殺陣もあるし、なにより主役の望美はとにかく台詞が多いし。

初演の吉川さん演じる主人公の望美が本当にカッコよくて可愛くて、私が想像した望美そのものな感じだったので、今回別の方が演じられると知ってちょっと心配してたんだけど、渡辺みり愛ちゃん良かったわ。愛嬌というか愛らしさが増してる望美だったと思う。だいたい私が心配してることはいつもただの杞憂なんだよね。
情報収集不足で以前に吉川さんで十六夜記が舞台化されていたのを知らなくて、吉川さんの十六夜記も見たかったという気持ちはあるけれど。

十六夜記の方は、実はちょっと原作の記憶が薄れてたのが、政子様(荼枳尼天)と泰衡の再現度が高かったおかげで、ぐわっと記憶が蘇ってきて、世界に引き込まれました。十六夜記は銀も泰衡もいいんだけど、やっぱ景時よな。景時は苦悩してる姿が好きなので、ずっと苦悩顔しててくれ。
ラストシーンの対比がとても美しくて感動しました。明るく未来を向いてる主人公たちと、目的は果たしたが死んでいく泰衡。舞い散る桜がその対比をより鮮やかにしてて。はぁ~~あのラストシーンにたどり着くためだけに何度でも見たいくらい。

ゲームまたやりたくなりました。もっかい移植するかリメイクしてくれないかなぁ。今現在できるハードが手元にない……。

この舞台はDVD化しないらしい。寂しいですね。

 

『染、色』 感想

もう配信も終わったので、うまく言葉にできないながらも感想を。ネタバレ含みます。

出版当時に原作を1度読んだきりで、舞台見に行く前には読み返しておこうと思っていたのですが、すっかり忘れて当日を迎えました。
一体あの短い話をどんな風に舞台化するのか、舞台が難解でつまらないものになっていやしないかと心配でドキドキしながら向かいました。
QRコードによるチケットだったので当日まで座席が分からなかったのですが、わりとギリギリな時間に到着したことと最前列と分かった動揺によるドキドキも加わってやばかった。
難解といえば難解かもしれないけれど、心地よい複雑さで、とても満足度の高い舞台でした。最後の台詞の「今から会えないかな」の後に続く物語を、小説を読んだ当時まったく想像つきませんでした。そして舞台を見終わった今も、想像つかないんです。ずっと抱えていたい問いをもらったようで、それが面白さのひとつかな。

舞台にかけた思いみたいなものをパンフレット表紙のこだわりからも見て取れたので、中止にならず実際に公演ができたこと、本当に良かった。
よくこのヘビーめなお話をジャニーズが主演したなぁ。いい意味でジャニーズ感がなくてよかったです正門くん。他の出演者さんたちもめっちゃ良かったです。真未役の三浦さんがとてもかっこよかったです。声が良くて軽率に惚れそう。あとなんか友人役の人が間宮祥太朗に見えてしかたがなかった。笑

登場人物が増えてることについては、まぁ舞台化するにあたって肉付けしたんだな程度に思っていましたが、展開が私の記憶にある小説内容と違ったので、あれ?こんなこんなだったか??って疑問と驚きが。舞台終演後にすぐ近くの本屋に寄って原作を立ち読みし、自分の記憶を確かめました。笑
私の記憶に残っている短編小説の染色の香りがありつつも、小説とは大きく異なる作品でした。
よく見たらストーリーだけでなく人物名なんかも変更になっていたんですね。パンフレット内でシゲが居抜きで店が変わった感じと称したのが、言いえて妙だなと思いました。

特別でありたいけれど何物でもない、社会に適合しなくてはならないけれど飲み込めない、挑戦と諦念の狭間で揺れている、というような大学生の心情が感じられて、なんだか心がもぞもぞしました。かつて大学生だった頃の自分の不安定な情緒に通ずるものがあるように思ったし、そして今も実は消化できずに心のどこかに隠れていそうな気持ちで……。
とても上手いこと大学生を、人間らしさを描いているなと思ったし、それをよく演じているなとも思いました。

私はまったくもって美術に興味がない人間なので、小説を読んだ時にグラフィティのイメージが湧かずにいたのですが、今回の舞台で映像を使ってのグラフィティを見れて良かったです。美術の造詣が深ければ、あのグラフィティからも何か読み取れる意味等があるのかな?あるのならば考察を聞いてみたいところです。

小説と違って、実は真未は深馬の作り出した幻覚というか多重人格(?)であったという展開になってて驚きました。そう持ってくるんだ!?って。映像だと違和感がすごいだろうし、映像作品ではできない、舞台だからこそできる展開だと思いました。
途中、深馬の彼女である杏奈が就活面接を受けている手前で、深馬と真未がセックスしてるっていうシーンがあって、うわぁえげつない演出するじゃんって思ったんです。それが、真未が実は幻ってなったら尚更えげつなく感じる。こっわ。この見せ方が脚本によるものなのか、演出家さんによるものなのか分からないですけど、心えぐってくるなぁって感心しました。
ただ、この真未が実在しないって深馬が知った後、これまで2人で行っていたグラフィティが1人によるものだったという追想シーンがあるんですが、冗長だなって思いました。シゲらしくはあるんですけど。
しかし追想シーンがあることによって、じゃあ1人で再現できないと思われる天井付近のスプレーは?今ここで自慰してる深馬の姿は現在なのかそれとも幻覚を見ていた頃のなのか?それともオーバーラップしてる感じなのか?そもそも真未がいるって思ってた頃の友人や先生とのやり取りってどうなってたんだろう?という部分が曖昧というか混濁させられてる感じがして、それが狙いなのかなぁという気も。
まるでカラースプレーのシンナーによって、くらくらしてしまったみたいな感覚。

見てよかった!!って思える舞台でした。
演出もすっきりシンプルながら繊細で引き込まれる感じで好きだったので、瀬戸山さんが携わる作品にも注目していきたいです。
改めて思うけど、推しが演者としてでなく原作・脚本として素敵な舞台を生み出してるこの世界線……やばいね。
『染、色』の戯曲が今後ジャニーズとは関わりのない劇団なんかで上演されても面白いと思うんだけど、その世界線はさすがにないかな?笑
シゲの脚本がとても良かったし、それを上手く表現してくれた演者やスタッフさんたちに感謝しています。
これからも加藤シゲアキの活躍に期待が持てると確信できる作品でした。

 

 

『染、色』配信決定おめでとう

舞台『染、色』の配信決定おめでとう!

配信で初めて見る方には、ぜひとも先に原作の短編を読んでおくことをオススメします。読まないまま舞台を見て、後から原作を読むのは止めた方がいいです。

私は大阪公演を見てきました!!友人が当選してて連れて行ってくれたのですが、最前列という素晴らしい席を引き当ててくれました。感謝。

勢いがありつつも繊細で、色んなことを考える感じる舞台でした。見れてよかった。ジャニーズ好きな人に加えて、演劇好きな人にも見てほしいと思える舞台。これを推しグループのアイドルが脚本書いただなんて、そして後輩が演じるなんて、感慨深い。

配信が終わったら、感想をあげられたらなと思います。